2015年10月21日水曜日

先を見せること

こんにちは。
コンサルタントの中村です。

ちょっと前の話になりますが、TPP合意しましたね。翌日の日経新聞を読んでいて、ふと思ったことがありました。

その日の日経は全紙あげてTPPの成果を強調って感じの紙面でしたが、お伝えしたかったのはその是非のうんぬんという話ではなくて、編集委員の記事にあった一節。

いわく、
> TPPは日本社会を覆う「内ごもり」を破るカギとなるかもしれない。反中・嫌韓など負の感情が渦巻く世相の根に何があるのか。未来へと伸びていけない不安感。個人が存分に活躍できない閉塞感。企業も人も投資を恐れ、アジア新興国の人々に比べて、日本人の多くは目が輝いていない。

やっぱり先が見えないということは誰しも不安ですよね。そこにビジョンを出す、未来への道を示すのが政治の仕事。賛否はありますが、政治の決断としてTPPという「未来へつながる道」を示すことが、閉塞感の打破につながるという見方には私も賛成です。

(一方で、20世紀型の経済成長が本当に未来につながるの?という疑問を多くの人が感じ始めていることが、見たいビジョンはTPPじゃないよ、という声につながっている様にも感じますが。まあ、それはさておき。)

会社や人事施策も同じで、いかにTOPが未来のビジョンを見せるか、そして個人のキャリアの成長ステップを見せてあげるか、ここが重要です。これが見えなかったり、見せていたとしても信頼されなかったりすると、閉塞感につながっていくのだと思います。

ここをきちっと決めて、仕組みにし、ちゃんと機能する様に手をかけ続けることは、人事の重要な仕事であり、これをやるやらないで「人」に関わる成果に大きな差が出てきますよね。

と、いうようなことを思ったのでした。

ちなみに、その日の新聞の隣の欄は、大村先生のノーベル賞受賞の記事。全体のビジョンがどんなに頼りなくても、特定の個人の圧倒的な成果とそれをもたらす人間力が、周囲の人に前向きな影響を与え、活性化させるーーーというのも、会社でも見られ光景ですね。

それではまた。

シニアコンサルタント
中村真一郎


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